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これは、ニューヨークのとあるスーパーの肉売場に表記されているドライエイジングビーフについて解説している文章です。30数年前の米国ニューヨークでは、限られたスーパーやデリカテッセン、ステーキハウスでの取扱いであったドライエイジングビーフが、今や名だたる高質スーパーではどの店もがドライエイジングされたお肉そのものを保管庫にディスプレイし、レストランでも堂々と店内に展示強調しこうした説明を附しています。 ドライエイジングは、その名“Dry Aging”に示される通り「乾燥熟成」で、通常日本で行われている熟成“Wet Aging”とは熟成時の「湿度」管理が大きな差異のポイントとなります。この「湿度」管理、すなわち「乾燥」状態を保管庫内に維持するために「風」を庫内に作用させます。すなわちドライエイジングの技術は、保管庫内の「温度」と「湿度」と「風」3つの要素に「時間」をコントロールすることとして広く認識されています。 「温度」帯は、1℃前後。 「湿度」帯は、70〜80%程度。 そして「風」は、庫内の広さに、狙いとする庫内温度、庫内湿度を睨みながら適合するファン(いわゆる扇風機)による風の調整を行うことと。 ところが、単にその3つの要素を整えればいいと言う問題でもないところにドライエイジングビーフ熟成技術の難しさがあります。最初に挙げた英文に述べられている通り、単に機械的に「温度」「湿度」「風」をコントロールすればそれでドライエイジングビーフができあがると言うものではなく「時を恩恵とした技術」であること。加えて、ドライエイジングならではのフレーバー(香気)と旨味成分増加の実現には「微生物」の働きにも研究の必要が認識されてきています。こうしたことの熟成技術の追求には、各微生物研究機関への熟成肉付着菌調査、付着菌による牛肉質、成分変化等の研究を深めていくこととなります。 協会の定める 前提与件: 【1】チルド状態での肉の取扱いとする *真空パック後でのドライエイジングへの取組みはこれを認めない 【2】品質の劣る肉での取扱いはしない 【3】管理台帳による管理の徹底 *個体番号、入庫・出庫、庫内管理記録、出店先など 基本要素: 【1】保管庫内の「温度」「湿度」「風」の3要素に「時間」のコントロールを置く ・「温度」帯/1℃前後 ・「湿度」帯/70〜80%程度 ・「風」/庫内の広さに、狙いとする庫内温度、湿度を睨みながら適合するファン(いわゆる扇風機など)による調整 【2】上記技術基本の中でも“Dry Aging”は“Wet Aging”とは異なり「風」の作用を大きなポイントとする。「風」の作用による乾燥熟成により肉の水分(自由水と結合水)の活性を促し「微生物」による酵素の働きを導くことを技術の核心とする 【3】こうした作用により、肉の柔軟化、旨味の濃さ、ジューシーさ、芳醇な香りが成果として認められるものとする 【4】上記基本の技術を以てその上での「安全」性の確保が充分に認められること *定期外部検査の実施 |
ドライエイジングビーフのご購入について |
富士宮『さの萬』社長佐野佳治氏が初めてドライエイジングビーフに気づいたのは30数年前、ニューヨークの食肉店『ローベル』を訪れてのことでした。その後も彼は強い関心を払いつづけ、今やニューヨークではドライエイジングビーフがスーパー、デリカテッセン、ステーキハウスの中心的存在になってきていることから、6年前より自社熟成庫でのドライエイジングビーフへの取組みをスタートさせました。その間、ニューヨークのステーキレストラン、その店のブッチャーとの交流、またパーベイヤーの視察等を繰返し、日本でも牛肉熟成に携わる研究機関との共同研究を繰返すことにより一定品質でのドライエイジングビーフの販売が可能となりました。現在、ホテル、料飲食店先への限定された業務用販売、自社店舗での一般小売販売を開始しております。価格、取扱い方などを含め直接お問い合わせください。 |
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