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ドライエイジングビーフへの期待 日本ドライエイジングビーフ普及協会委員
山本謙治

ドライエイジングはなんといっても、赤身肉軍団にとって最高の福音である。いま、日本で飼養されている肉用牛は圧倒的に黒毛和種が多く、その他の和牛(褐毛・短角・無角)はたった3%に過ぎない。それは日本の食肉の格付がサシの量と肉の歩留まりのみで判断し、味については全く考慮されていないからではないか。短角和種やホルスタインといった赤身中心になる肉は格付成績が低くなり、安く値付けされてしまう。だから農家は育てたがらず、黒毛ばかりになるのだ。

けれども料理人達にきくと、サシの入った黒毛など使いたくない、美味しい赤身肉が欲しいという声が多いのに驚く。この国では需給のギャップが平然と見過ごされているのだ。

そこでドライエイジング技術の登場だ。『さの萬』さんが熟成させたホルスタインは、肉業界の関係者がみな押し黙ってしまうほどに旨い。これを赤身肉の旨さの強い短角和種やシャロレー種などでやったらどれほど美味しくなることだろうか。しかもサシの入りすぎた肉でのドライエイジングは、あまり芳しくないという。だからこそ、ドライエイジングは赤身肉中心の牛にとって福音だ。それだけではない。どんどん牛肉の単価が下がっているが、これはサシの量でしか差別化をしてこなかった肉文化が飽きられているということだ。ドライエイジングの登場は、そんな単純な肉文化に深みを与えてくれる、素敵な福音なのだ。

実は私は岩手県に短角和種を三頭所有している。来年夏には一頭のメスが出荷される。いまから予告するが、『さの萬』さんにお願いして、ドライエイジングビーフにするつもりだ。ぜひ、一緒に食べましょう。この会の隆盛を祈ります。

農産物流通コンサルタント 
慶應義塾大学院政策・メディア研究科修士課程卒。野村総合研究所にて畜産・農業生産者団体のコンサルティング。青果流通のシフラにて野菜の取引事業を統括。
(株)グッドテーブルズ設立、農産物の商品開発とPR事業を行っている。
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